【令和8年10月開始】ふるさと納税の制度改正とは?

ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で地域を応援できる制度として、多くの方に利用されています。

返礼品を楽しめることから人気を集めていますが、

本来は「寄附を通じて自治体を応援すること」を目的とした制度です。

令和8年(2026年)10月1日から、このふるさと納税のルールが見直されます。

今回の改正では、自治体が寄附金をより地域のために活用できるよう制度が変更される一方で、

返礼品を提供する事業者や寄附を行う方にも影響が及ぶことが予想されます。

この記事では、令和8年10月から始まるふるさと納税制度の改正内容と、

事業者・寄附者への影響、今後の活用ポイントについてわかりやすく解説します。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体へ寄附を行うことで、

一定額を超えた寄附金について所得税や住民税の控除を受けられる制度です。

寄附金は、子育て支援や教育、防災、医療・福祉、地域振興など、

自治体が実施するさまざまな事業に活用されます。

また、お礼として地域の特産品などの返礼品を受け取れることから、多くの方に利用されています。

一方で、制度開始以降は返礼品競争が過熱し、

本来の制度趣旨から離れた運用が問題視される場面もありました。

こうした背景を受け、制度の公平性や透明性を高めるため、

令和8年10月から新たなルールが導入されます。

令和8年10月から何が変わる?

募集費用のルールが見直される

現在は、

  • 返礼品の価格は寄附金額の30%以内
  • 返礼品代や送料、広告費などを含めた募集費用は寄附金額の50%以下

とされています。

しかし、令和8年10月1日以降は、募集費用は段階的に引き下げられます。

令和8年10月からは寄附金額の47.5%以下(活用可能額52.5%以上)とされ、

その後、令和11年10月までに最終的な目標である「40%以下(活用可能額60%以上)」へと順次移行する経過措置が設けられています。

つまり、これまで以上に寄附金が地域振興や行政サービスに活用される仕組みへ変更されます。

寄附金活用可能額とは、返礼品代や送料、広告費などを差し引いた後に自治体が自由に使える寄附金のことです。

返礼品の基準も厳格化

食品や加工品、工芸品などについては、これまでも「地域内で相応(過半)の付加価値が生じていること」が条件でした。

ここでいう付加価値とは、地域内で加工・製造・組立などを行うことで新たに生み出された価値のことです。

今回の改正では、

  • 返礼品の価値の過半が区域内で生じていること
  • その内容を証明・公表すること

が新たな要件となります。

これにより、地域との関わりがより明確な返礼品が求められることになります。

事業者への影響

返礼品提供事業者は説明責任がより重要に

今回の改正では、返礼品を提供する事業者にとって、商品の魅力だけでなく

「地域でどれだけ価値が生まれているか」を客観的に説明することが重要になります。

例えば、

  • 原材料の産地
  • 地域内で行われる製造・加工工程
  • 地域内で生まれた付加価値の割合
  • 商品価格の内訳

などを整理し、自治体へ提出するケースが増えると考えられます。

そのため、これまで以上に書類作成やデータ管理などの事務負担が増加する可能性があります。

また、基準を満たしていることを十分に証明できなければ、

返礼品として採用されない可能性もあるため、早めの準備が重要です。

制度改正をブランド力向上につなげることもできる

一方で、今回の改正は地域企業にとってチャンスでもあります。

例えば、

  • 地元産の原材料を積極的に活用する
  • 地域で一貫して製造・加工する体制を整える
  • 地域ならではの技術や伝統をアピールする

ことで、他地域との差別化につながります。

制度への対応をきっかけに、自社商品の魅力や地域ブランドを見直すことで、

新たな販路拡大につながる可能性もあるでしょう。

寄附者への影響

返礼品の内容や寄附金額が変わる可能性

今回の制度改正は自治体の運営ルールの見直しですが、寄附者にも影響があります。

自治体は寄附金の60%以上を地域のために活用する必要があるため、

これまで返礼品や広告費などに使われていた費用が見直されます。

その結果、

  • 同じ寄附金額でも返礼品の量が少なくなる
  • 返礼品の内容が変更される
  • これまでと同じ返礼品を受け取るには寄附金額が高くなる

といったケースが考えられます。

人気の返礼品ほど見直しの対象となる可能性があるため、制度変更後は各自治体の情報を確認することが大切です。

一方で、自治体にはこれまで以上に多くの寄附金が残ることになるため、

子育て支援や教育、防災、福祉などの地域施策に活用される財源が増えることも期待されています。

制度改正後は「返礼品」だけでなく寄附の目的にも注目を

これまでふるさと納税は「返礼品がお得だから」という理由で利用する方も少なくありませんでした。

しかし、今回の制度改正を機に、寄附金がどのように地域で活用されるかにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

寄附を行う際には、次のような点を確認することをおすすめします。

  • 自治体が寄附金をどのような事業に活用しているか
  • 気になる返礼品の内容や寄附金額に変更がないか
  • 応援したい地域や自治体の取り組み
  • 最新の制度変更や返礼品情報

また、毎年年末にまとめて寄附をする方は、制度改正後は返礼品の内容が変更されている可能性もあるため、

早めに各自治体のホームページやふるさと納税サイトを確認すると安心です。

制度は変わっても、税金の控除を受けながら地域を応援できるという、ふるさと納税の魅力は変わりません。

度を正しく理解し、自分に合った自治体へ寄附を行いましょう。

まとめ

令和8年10月から始まるふるさと納税の制度改正では、自治体が地域のために活用できる寄附金を増やすことを目的として、

募集費用や返礼品の基準が見直されます。

返礼品提供事業者には、地域で生まれた付加価値を証明するための資料整備や管理体制の強化が求められる一方、

寄附者は返礼品の内容や寄附金額の変更に注意する必要があります。

制度改正の内容を早めに理解しておくことで、事業者・寄附者ともに安心して対応することができます。

ふるさと納税制度や税制改正についてご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

最新の制度改正を踏まえ、事業者・個人それぞれの状況に応じたアドバイスをさせていただきます。

リンク

ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)