決済手段の1つである、紙の約束手形。政府は、「2026年をめどに、紙の約束手形の利用を廃止する」との方針を打ち出しています。
1.なぜ廃止されるのか?
代金を支払う側の企業(支払企業)にとって、約束手形を振り出すことには次のようなメリットがあります。
- 現金での支払日を延ばせるため資金繰りに余裕ができる
- 金利が発生しないためコストが削減できる
一方でこのメリットは、約束手形を受け取る側の企業(受取企業)にとっては、デメリットと言えます。つまり、代金を受け取っても、現金化できるまでに時間がかかってしまうのです。多くの場合、受取企業は仕事を受注する側=下請の立場にあり、紙の約束手形による支払いは、受取企業が資金繰りに苦しむ要因の1つとなっていました。そこで政府は、紙の約束手形の利用を廃止する方針を打ち出し、これを受けて産業界・金融界では、その実現に向けた取り組みが進められています。
2.今後の対応
現在、支払手段の1つとして紙の約束手形を利用している企業は、2026年までに、以下のいずれかの支払い手段に切り替える必要があります。
- 現金による支払い(原則/インターネットバンキングによる銀行振込を含む)
- 電子記録債権(でんさい)による支払い
また、2024年11月以降、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の運用ルールが変更され、交付から満期日までの期間が60日を超える約束手形等による支払いは、業種を問わず行政指導の対象となりました。決済手段のデジタル化とともに、支払サイトの短縮が必要な場合は、新たに生じる運転資金の調達方法も検討する必要があります。
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この記事を書いた人
副所長 税理士
湯川 真司
税理士だった父の背中を見て育ち、自然と自分も税理士を目指すようになりました。
大学卒業後は税理士試験の勉強に専念し、26歳で税理士登録いたしました。
お客様と同じ目線に立ち、将来のことを一緒に考え、悩み、そして喜びを分かち合える――そんな関係を築けることが、この仕事の何よりの魅力だと感じています。
魚と釣りが大好きで、大学では水産系の学科に所属していました。
今でも月に一度は必ず釣りに出かけ、リフレッシュする時間を大切にしています。
これからもお客様に寄り添い、信頼されるパートナーとして尽力してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。